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開発物語

冬刻(とき)

二階堂製麺所謹製 熟成手延べ麺

古来の製法で、自然と共に最高の麺を作りたい。
私たちのその想いから「冬刻(とき)」が生まれました。

みちのくの風土が創ったあの麺へ、原点回帰

手延べ麺は、「寒造り」といって冬の時期だけに作られます。
それは東北の冬の寒さの中で外干した麺をじっくり乾燥させていく「寒ざらし」という造り方。今では、室温調整のできる部屋で乾燥工程を行っているため年中手延べ麺を作ることができますが、その昔は寒い時期にしか作れない事で、冬に造られていました。
「冬刻(とき)」はその製法を再現した原点回帰とも言える昔ながらの方法で造る手延べ麺です。
栗駒山から吹き下ろされる冬の冷たい風にさらして、低温な外気の中でゆっくりと熟成をさせながら造ります。
温暖化が進む現代、寒さが厳しい時期は短くなっているため現在では最も作業に適しているのは1月~2月の2か月間という短い時間。
特に安定した条件がそろったときに作業し、それでも気温や風、天気に気を配りながら仕上げます。

開発者インタビュー

麺職人 矢内崇義
麺職人 岩淵由起
製造部兼開発部兼品質保証部 統括課長 千葉真江

伝統技法への回帰、そして「熟成工程」による新たな価値の創造

生産性を求める今の時代に逆行した、妥協せずに手間をかけた麺。冬にしか作らない「寒造り」と、長い「刻」をかけた熟成期間を経るという、限られた条件のなかで丁寧な仕事によりつくられるものだからこそ、少量しかつくることができない麺。「冬刻づくり」はまさに現代の麺職人にとっては「故きを温ねて新しきを知る」だったといいます。

実際に開発に携わってみて、どんな印象を持ちましたか?

(矢内)冬刻再現計画ができ、本番の冬、貴重な体験とその歴史を垣間見ることができました。歴代の職人で引退した方々に連絡を取り、当時の作り方を相談しながら再現を行ったんです。いろんな問題が重なり、相当な数の失敗をしています。失敗の度にやり直し、試行錯誤しながら何度も取り組む中で、作り出したものへの愛着が日々強く感じられるようになりました。
幾度も挑戦し続け、仕上がりが良くなっていくにつれ職人として喜びを感じる。
懸命に制作に励み、そして達成感を感じた時、できないと思っていたことが、目の前に現実となって表れ始めていたことに気が付きました。

今年の出来はどうでしょうか?

(岩淵)気象条件が悪かったりするとつくる事ができませんでした。外で極寒の中にさらされる麺は、天気や風、湿度に左右され、扱いが大変でした。無残にも全部地面に落ちてしまうことも。良かったはずの天気が急に変わったりすることで、何度も失敗しました。
一晩、風の強さを心配したとき、干した麺がちゃんときれいに残っていて「生きてていてくれてありがとう」と感謝しました。
風にも負けず、まっすぐだけど自然な緩やかな曲線も合わせ持つ、きれいな麺に仕上がってくれて、本当にうれしいです。

(千葉)今年は初チャレンジ、まだまだ先が分からないというのが現状です。

(矢内)食感、味、形状はとてもいい。後は熟成し、今後どのように美味しさを増していくのか楽しみにしています。

(岩淵)まだ途中段階だと思います。乾麺で今は熟成期間に入っています。1年物、2年物とワインみたいに楽しんでもらえたらいいなと思います。

(千葉)乾燥麺は熟成させてよりいいものに変わっていく。これからが変化の面白いところです。ワインみたいに時を越えて美味しくなるのを楽しむ、待つという貴重な時間を持ってもらえるのもいいですね。
10年物の手延べそうめんが貴重であるように、乾麺は保存をしっかり管理していけばそれだけ価値の上がる熟成麺に仕上がっていく。冬刻もそんな希少価値の高い手延べうどんにしていきたいです。

これからの抱負をお聞かせください。

(千葉)今年の冬刻の製造は終わりましたが(現在安静熟成中ですが)、これがゴールではありません。来年造る冬刻は今年の冬刻の品質を超えるものを作りたいですね。

(矢内)手延べ麺は数多くあるが、うちの麺は特に美味しいと自負しています。
2020年物の冬刻、20**年物の冬刻…とか毎年同じではない麺を楽しみたい。今年の出来は最高だとか、20**年のものは特に品質がいい。おいしいとか、わかるようになったら面白いと思います。僕は常に麺と対話しています。麺の可能性を広げることにチャレンジしていきたいです。

(岩淵)美味しくなれという思いを込めながら作業しています。麺を美味しく食べてほしいから、もっと美味しくつくりたいです。仙台店のスタッフから「お客様から美味しいと言われた」と伝えられたとき、そういう言葉をいただけていることがとても嬉しいと思いました。